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臨床工学技士は、医師の指示のもとで「生命維持管理装置」の操作および保守点検を担います。 生命維持管理装置とは、人の呼吸・循環・代謝の機能を代行・補助する装置(人工呼吸器、人工心肺装置、透析装置など)を指します。私たちは患者様の生命に直結するこれらの装置を安全に運用し、最適な治療を提供するため日々自己研鑽に努めています。
当科は、2004年(平成16年)4月1日に医療技術部 臨床工学科として独立いたしました。設立当初から徐々にその体制を拡充し、現在は総勢17名のスタッフ(2026年時点)で業務にあたっています。 現在は、手術室・心血管カテーテル室・透析室・救命救急センター・医療機器管理を軸に、定期から夜間・休日の緊急対応まで、24時間365日体制で救急医療を支えています。
当科の特徴は、スタッフ全員がすべての業務に対応できるよう育成した上で各分野において高度な専門性を発揮している点にあり、資格や認定の取得、学会発表などを積極的に行っています。
人工心肺装置・心筋保護液供給装置・自己血回収装置等の操作及び保守・点検・管理をし、心臓・大血管手術や整形手術等を医師・看護師らと共に行っています。
心臓手術時の人工心肺操作
従来の腹腔鏡下手術と同様に身体に小さな穴をあけて行う低侵襲手術です。術中の出血量、術後の疼痛、合併症を軽減するメリットがあります。また従来は長時間立って行われていた手術を執刀医が座って操作を継続できるため、疲労が軽減され高い集中力と精密な操作を維持することが可能になり安全に施行できます。
当院のロボット支援手術は2015年の泌尿器科から始まり、現在では消化器外科、呼吸器外科領域でも行われています。2023年からはDavinci 2台体制となり年間250例以上の症例を行っています。
臨床工学技士はDavinci Xiの準備、ロールイン、ロールアウト、保守管理業務を行っています。
Davinci Xiの準備・操作
2025年より脳神経外科の手術で運動誘発電位(MEP)測定を開始しています。
脊椎や脳の手術において運動神経の通り道を電気的に刺激し、その反応をリアルタイムで監視することで、手術による神経損傷のリスクを最小限に抑え術後の運動機能を守ります。
臨床工学技士は装置の準備、計測を行っています。
頻脈性不整脈に対してその原因となる部位を焼灼することで不整脈を根治する治療です。臨床工学技士は心内電位解析装置、3Dマッピング装置(CARTO・Ensite・OPAL)、プログラム刺激装置などの準備・操作を行っています。
3Dマッピング装置での解析
徐脈性不整脈に対して心臓に電気刺激を送ることで心拍数を保つペースメーカーや致死性不整脈に対して電気ショックを行う植込み型除細動器などのデバイス植え込み時に、プログラマーを用いて最適設定をサポートします。術後も外来での定期点検や遠隔モニタリングを通じて、機器の適正な作動と患者様の安全を長期的に支えています。
ペースメーカー植込み症例時のプログラマー操作
左脚領域ペーシング時の電位計測
心血管カテーテル検査や治療(PCI・EVT)においてポリグラフによる血行動態の監視、治療デバイス(Rota・OAS・IVLなど)やIVUS・OCT等の画像診断装置の操作、必要時には補助循環装置(IABP・ECMO・IMPELLA)の準備から操作を行っています。また清潔野での介助業務にも従事し、医師と共に迅速かつ安全な治療に努めています。
画像診断装置の読影
清潔野補助業務
人工透析室におけるHD・腹水ECUM・G-CAP・CARTの操作及び血液浄化装置・水処理装置の保守・点検・管理をし、医師・看護師とともに従事しています。

透析開始時のダブルチェック
センター内での緊急HD・CHDF・血漿交換・吸着式血液浄化等に対応したり、補助循環装置(IABP・ECMO・IMPELLA)の管理を行っています。また急性一酸化炭素中毒・重症熱傷・突発性難聴などの急性期の症例に対し高気圧酸素治療(HBO)装置の操作をし、医師・看護師と共に治療を行っています。
CHDFの組立て
HBO装置の操作
当院では医療機器の安全使用と効率化を目的に中央管理化を推進しています。輸液ポンプ・シリンジポンプなど院内の大部分の機器は、臨床工学科が点検・修理の窓口を一元化し、日常・定期点検に加えて部品交換等の院内修理を迅速に行います。
人工呼吸器は回路のセットアップや自己診断、基本設定と動作確認を実施した上で機材庫へ配置し、常に即使用可能な体制を維持し、安全な機器をベッドサイドへ提供します。
医療機器の中央管理体制
タブレット端末を活用した医療機器点検
当院では福山府中及び井原・笠岡圏域のリスクが高い妊産婦と新生児に対する医療体制の充実を目指し、2026年8月に周産期母子医療センターを設立します。
周産期は母体・胎児・新生児を対象とした総合的な医療において、人工呼吸器や低体温療法・各種モニター情報・血液ガス測定装置・保育器など多くの医療機器を使用します。
臨床工学科は医療機器の組立・管理・点検に加え窒素吸入療法などの特殊な治療にも従事する予定です。医師・看護師と連携し安全な医療を提供できるよう日々研鑽に努めます。
早期の肝細胞癌や乳癌などの治療において、電極の付いた細い針を腫瘍に刺しラジオ波による熱で癌細胞を凝固壊死させる治療に従事しています。
臨床工学技士は通電装置の準備から術中の出力管理・操作を担当しています。