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2025年度より林田智博(統括科長)、末澤孝徳(中央手術部次長)、藤本遼の常勤3人体制となり、喜岡幸央(非常勤:金曜日外来)協力のもと、業務を行っています。
心臓手術(狭心症、心筋梗塞、弁膜症、腫瘍、左室疾患、不整脈 等)、大血管手術(動脈瘤、動脈解離、狭窄)、末梢血管手術(動脈瘤、動脈硬化症、血栓症、静脈瘤、人工透析に必要なシャント作成)など、広範な心臓・血管領域手術を一手に行っています。救急疾患には365日24時間体制で対応しています。
当科では手術時間短縮、手術低侵襲化に積極的に取り組んでおります。
2022年より導入の、心房細動症例に対する鏡視下での左心耳閉鎖術、肺静脈隔離術については手術難易度の高さから中四国で施行可能な病院は5施設もありません。心房細動合併症の一つとして脳梗塞がありますが、約95%以上が左心耳を起源とすることが分かっています。左心耳を閉鎖し、脳梗塞を予防することを主眼とする本手術は通算30症例を超えました。心房細動加療としての抗凝固療法は出血のリスクを伴いますが、本術式施行後には中止できるため、メリットは大きいと考えます。
弁膜症に対しては内視鏡補助下での右肋間小開胸手術を確立しており、患者さまの状態や解剖によりアプローチを選択しています。僧帽弁、三尖弁では形成術を第一選択としています。大動脈弁では手術時間低減が可能となるスーチャレス弁も使用しており、また若年者の場合には形成術も施行しています。本年より完全内視鏡下への術式移行を推進していく予定です。
狭心症、心筋梗塞に対する冠動脈バイパスでは心拍動下手術を第一選択とし、本年度中に左小開胸での低侵襲手術を導入予定です。胸部・腹部大動脈瘤の手術は、引き続き切開をしない穿刺法でのカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)と開胸、開腹手術の適切な方法を症例ごとに検討し、より良い手技を行っています。人工血管、ステントグラフト一体型のデバイス使用も可能になっており、ハイブリッド手術を含め、よりテーラーメイド化した治療を目指しています。
下肢静脈瘤に対する治療は、引き続き血管内治療を第1選択とし、基本的に外来診療で行っております。従来行っていた高周波焼灼術に加え、より痛みの少ない塞栓療法を取り入れ、順調に症例を重ねております。
感染を含めた急性弁膜症や冠動脈緊急症、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、外傷性大動脈損傷に対する緊急手術も、安全性確保に努めながら行ってまいります。
成人心疾患 | 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、弁膜症、不整脈疾患、心臓腫瘍 |
大動脈疾患 | 大動脈瘤、大動脈解離、大動脈狭窄 |
末梢動脈疾患 | 下肢閉塞性動脈硬化症、末梢動脈瘤、血管外傷、急性動脈閉塞 |
静脈疾患 | 下肢静脈瘤 |
慢性腎臓病 | 内シャント作製、動脈表在化、長期留置カテーテル、血管形成 |