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2021年度の延べ入院患者(実数)は39,089(4,398)人で、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2020年度より約1,199(339)人増加しました。疾患構成は、肝疾患18%、上下部消化管疾患19%、胆膵疾患21%、呼吸器疾患22%、血液疾患9%、腎疾患1%が主要な疾患です。当院は高度型地域がん診療連携拠点病院(広島県内に2施設のみ)ですので、悪性腫瘍の割合が全体の約6割を占めています。
2022年度の内科の人事動向です。まず消化器内科では胆道・膵臓部門に若手スタッフ1名が赴任し、当院で初期研修した専攻医1名が新たなメンバーとして加わりました。消化管部門にも当院で初期研修した専攻医1名が新たなメンバーとして加わっています。肝臓部門はスタッフが交代し、専攻医が1名減員となりました。呼吸器内科・血液内科は専攻医が各1名減員となりましたが、腎臓内科に専攻医1名が新たなメンバーとして加わっています。以上内科は昨年度と同様計24名の常勤医体制です。
外来診療については、糖尿病は週3回、膠原病は週2回の非常勤外来ですが、他の内科領域については常勤の専門医を配備しています。また専門のはっきりしない領域については専攻医と上級医が協力して対応していますが、疾病によっては適切に他院とも連携し対応しています。
広島県内に2か所設置された肝疾患診療連携拠点病院として、肝疾患診療に係る医療情報の提供・研修会や講演会の開催・肝疾患に関する相談支援・医療費助成制度の案内などを行い、地域連携の強化もすすめています。常勤の肝臓専門医は3人、非常勤肝臓専門医2人で診療にあたり、肝機能異常、肝腫瘍などの診療を幅広く行っております。
2021年にはラジオ波焼灼療法 100件、肝動脈化学塞栓療法 112件、肝動注化学療法47件を実施しました。C型肝炎の抗ウイルス療法にも力を入れており、これまで通算のインターフェロンフリー治療は約600例となっています。
治療内視鏡(ESD、ポリープ切除、消化管ステント、食道静脈瘤硬化療法、緊急内視鏡など)に力を入れています。2021年度は全検査件数7,343件でした。2021年度のESDは 164件(食道20、胃114、大腸30)、大腸ポリープ切除 763件、消化管ステント 47件、食道静脈瘤治療(EISL+EVL) 41件、消化管止血術(上部+下部) 136件でした。また、内視鏡スタッフは 12人(消化管4人・胆膵4人・後期研修医4人)です。今後も協力して緊急内視鏡等にも迅速に対応していきます。
福山地区で唯一、胆道学会指導施設(胆道指導医2名)、膵臓学会指導施設で、胆膵専門の消化器内視鏡医を5名(スタッフ3名+専攻医2名)配しています。2021年度はERCP583件、胆膵EUS(超音波内視鏡) 749件、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺術) 147件で計1,479件とコロナ禍においても圧倒的な症例数を誇っています。EUSによる膵のう胞(IPMN等)や胆嚢腫瘤の精密検査から、EUS-FNAによる膵腫瘍の組織学的確定診断や最新の超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)まで幅広く施行しています。閉塞性黄疸や総胆管結石の緊急ERCPにも迅速かつ安全に対応しています。
日本呼吸器学会呼吸器指導医2名、日本臨床腫瘍学会指導医1名を配し、肺がんと良性呼吸器疾患を中心に診療を行っています。肺がんの薬物療法は近年劇的に進歩し、4期肺がんでも長期生存が可能になってきました。当院では日本肺癌学会診療ガイドラインに基づき、がんドライバー遺伝子を網羅的に検索してそれに対応する分子標的薬剤を使用する“プレシジョン・メディシン”、そして殺細胞性抗がん剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法を積極的に行っています。良性呼吸器疾患においては呼気NO検査を用いた簡便かつ迅速な気管支喘息の診断、そして難治性の気管支喘息に対しインターロイキン-5(IL-5)受容体抗体などによる抗体療法も行っています。また日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医1名を配し、超音波気管支鏡検査(EBUS-GSおよびEBUS-TBNA)なども積極的に行っています。
常勤医2名で診療しています。悪性リンパ腫や白血病など血液悪性腫瘍全般について、また特発性血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血など非腫瘍性血液疾患についても幅広く診療しています。骨髄穿刺結果やリンパ腫病理については定期的にカンファレンスを行い、診断精度や治療成績の向上に努めています。
2023年4月から血液内科診療体制を縮小します [PDFファイル/181KB]
2022年度から常勤医3名体制となりました。常勤医3名+非常勤医2名(外来:月曜日、血液透析:金曜日)での診療となり、院内紹介や急患対応、入院対応が今まで以上に可能となりました。検尿異常から慢性腎臓病(CKD)の管理、透析療法に至るまで腎疾患全般にわたり診療を行っています。2021年度は腎生検も8例実施し、治療方針を立案し診療にあたっております。また透析患者さんの他科入院中の血液透析を担当しています。2021年の当院での新規血液透析導入は37名でした。他科と連携して持続緩徐式血液濾過透析や血漿交換、特殊アフェレシス療法にも対応しています。またこの地域の透析患者の新型コロナ感染症患者の受け入れ施設の役割も担っております。
内科内のがん患者さんに対するがん薬物療法を中心とした治療・サポートを行っています。がん看護外来、緩和ケアチームと連携しながら緩和治療も行っています。また、がんゲノム外来も担当しております。
非常勤医師が週3回、他科と併診している患者の外来フォローと、周術期などの入院患者の血糖コントロールを行っています。
非常勤医師が週2回、膠原病専門外来を行っています。
当院は第二種感染症指定医療機関です。当科が入院加療した成人の新型コロナウイルス患者さんの数は、広島県東部において他を圧倒しています。また救急科と連携して重症例の治療にあたるなど、引き続きコロナ診療の最後の砦として責任を果たして参ります。