本文
| 胆膵 | 植木 亨、小川 恒由、皿谷 洋祐 |
| 呼吸器 | 髙田 一郎、三谷 玲雄、谷口 暁彦、下西 惇 |
| 肝臓 | 藪下 和久、安中 哲也 |
| 腎臓 | 十倉 健彦、大西 章史 |
| 消化管 | 名和 徹、小林 沙代、根岸 慎、田尻 和也、小島 一展 |
| 血液 | 杉浦 弘幸、野村 奈穂、大山 矩史 |
| 糖尿病 | 髙橋 寛子 |
| リウマチ・膠原病 | 赤木 貴彦 |
| がん薬物療法・緩和ケア | 寺尾 正子 |
| 内科一般 | 太田 茂、島田 佳祐、岡本 梨栄、宮本 奈実、安富 有希、辻 涼子、荻原 優人、小西 史哲 |
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~「こころに届く医療を、地域とともに」大内科で地域医療を支えます~
◆ 診療の特色
福山市民病院 内科は臓器別の診療科に分かれず、ひとつの「大内科」として各分野の専門医が一体となり総合的な医療を提供しています。
当科には16名の日本内科学会総合内科専門医が所属し、また内科各分野にそれぞれ専門医を配することで内科全分野を網羅する体制を
構築しています(内分泌領域についても非常勤医師により対応しています)。
当科は単一臓器にとどまらない複雑な病態、特に高齢・多疾患併存の患者さんに対して、多角的かつ柔軟なアプローチが可能であり、
院内他科とも密接に連携した入院・外来診療を実践しています。
◆ 診療実績(2024年度)
【入院部門】
•延べ入院患者数:48,008人(実数4,988人)→前年度から約6,100人増加
•1日平均入院患者数:131.5人(前年度114.5人)
【外来部門】
•延べ外来患者数:50,695人(前年度:47,598人)
•1日平均外来患者数:138.9人(前年度:130.4人)
•紹介患者数:2,281人(前年度2,146人)
◆ 研究・教育活動
•内科専攻医が筆頭著者の英文症例報告が複数の国際誌に掲載
•常勤医・専攻医ともに学会で優秀賞を受賞、英文論文化へ取り組み中
•専攻医指導体制も充実し、教育病院としての質を継続的に向上させています
広島県内に2か所設置された肝疾患診療連携拠点病院として、肝疾患診療に係る医療情報の提供・研修会や講演会の開催・肝疾患に関する相談支援・医療費助成制度の案内などを行い、地域連携の強化もすすめています。常勤の肝臓専門医は2人、非常勤肝臓専門医3人で診療にあたり、肝機能異常、肝腫瘍などの診療を幅広く行っております。
2024年度にはラジオ波焼灼療法:52件、肝動脈化学塞栓療法:25件、肝動注化学療法:52件実施し、免疫チェックポイント阻害剤も30例に導入しました。ラジオ波焼灼療法については鎮痛法の改善やCTガイドを併用した穿刺などの工夫をすることで苦痛なく安全で確実な治療を実施しております。C型肝炎の抗ウイルス療法にも力を入れており、これまで通算のインターフェロンフリー治療は631例となっています。

治療内視鏡(ESD、ポリープ切除、消化管ステント、食道静脈瘤硬化療法、緊急内視鏡など)に力を入れています。2024年度は全検査件数7,763件でした。2024年度のESDは148件(食道22、胃99、大腸27)、大腸ポリープ切除866件、消化管ステント54件、食道静脈瘤治療(EISL+EVL)42件、消化管止血術(上部+下部)206件でした。また内視鏡スタッフは13人(消化管4人・胆膵4人・後期研修医5人)です。今後も協力して緊急内視鏡等にも迅速に対応していきます。
福山地区で唯一、胆道学会指導施設(胆道指導医3名)・膵臓学会指導施設(膵臓指導医2名)で、胆膵専門の消化器内視鏡医を6名(スタッフ4名+専攻医2名)配しています。2024年度はERCP 594件、胆膵EUS(超音波内視鏡)939件、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺術)161件で計1,694件でした。EUSによる膵のう胞(IPMN等)や胆嚢腫瘤の精密検査から、EUS-FNAによる膵腫瘍の組織学的確定診断や最新の超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)まで幅広く施行しています。閉塞性黄疸や総胆管結石の緊急ERCPにも迅速かつ安全に対応しています。

◇当科では以下の専門医・指導医が診療・教育にあたっております
•日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医 2名 •日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医 1名 •日本呼吸器内視鏡学会 専門医・指導医 1名 •日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医 1名
良性疾患から悪性腫瘍まで幅広い呼吸器疾患に対応可能で、常勤・非常勤の専門医が連携し、総合的な診療を実現しています。
◇2025年度より専門医による「間質性肺炎専門外来」を新設しました。週1回の診療ながら、豊富な経験を活かした診療を行っています。
◇肺がん診療では、4期肺がんにおいても長期生存が期待できる時代となりました。当院では最新の日本肺癌学会診療ガイドラインに基づき、以下の治療を展開しています。
•がん遺伝子(ドライバー遺伝子)解析に基づく分子標的治療 •免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用療法 •最新薬剤(BiTE:二重特異的T細胞誘導抗体、二重特異性抗体)など新規薬剤導入
これらの治療に必要な十分な腫瘍組織の採取には、専門的な内視鏡技術が求められます。当科では以下の検査を日常的に実施し、迅速な診断と治療開始を支えています。
•EBUS-GS(超音波気管支鏡ガイド下生検) •迅速細胞診(ROSE)を併用した確実な組織採取 •EBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下縦隔リンパ節生検)
呼吸器外科との連携による周術期免疫療法も展開し、肺がん診療の拠点病院として地域に貢献しています。
日本血液学会専門医3名、日本血液学会指導医1名、日本臨床腫瘍学会指導医1名で診療を行っています。クリーンルーム(無菌病室)を5床有しており、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍はもちろんのこと、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、血栓性血小板減少性紫斑病など、良性疾患の治療も行っています。また、日進月歩の血液内科領域において、新規薬剤による治療も積極的に行っています。週に1回、検査技師との骨髄鏡検カンファレンス、看護師との病棟カンファレンスを行い、チーム医療による最適な医療の提供を目指しています。
2025年度は常勤医2名体制です。常勤医2名+非常勤医2名(外来:月曜日、血液透析:金曜日)での診療となり、院内紹介や急患対応、入院対応を行っています。検尿異常から慢性腎臓病(CKD)の管理、透析療法に至るまで腎疾患全般にわたり診療を行っています。2024年度は腎生検を26例実施し、治療方針を立案し診療にあたっております。また透析患者さんの他科入院中の血液透析を担当しています。2024年の当院での新規血液透析導入は43名でした。他科と連携して持続緩徐式血液濾過透析や血漿交換、特殊アフェレシス療法にも対応しています。
内科内のがん患者さんに対するがん薬物療法を中心とした治療を行っています。がん看護外来、緩和ケアチームと連携しながら緩和治療・各種サポートも並行して行うことで患者さんのご希望に添ったより良い治療を目指しています。その他、がんゲノム外来も担当しております。
常勤医師が他科と併診している患者の外来フォローと、周術期などの入院患者の血糖コントロールを行っています。
2024年度に引き続き、当科では常勤医1名、非常勤医1名の体制で診療を行っております。再診外来は月曜日と金曜日に開設しており、第1・第3・第5金曜日は非常勤医師が担当しています。また、新患・初診外来は木曜日に設けております。緊急対応が必要な場合には、随時可能な限り対応いたしますので、地域医療連携課を通じてご連絡いただけますと幸いです。2024年度より、関節炎の鑑別や診断に有用な関節超音波検査を導入し、運用を開始いたしました。また、関節リウマチをはじめとする膠原病に対し、生物学的製剤やJAK阻害薬、免疫抑制薬の導入も積極的に行っております。「関節の腫れや痛みが続いている」「自己抗体が陽性でフォローが必要」といった患者さまがいらっしゃいましたら、ぜひ当科へご紹介ください。福山医療圏におけるリウマチ・膠原病診療の拠点の一つとして、地域の先生方と連携しながら、質の高い医療を提供できるよう努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
内分泌内科では、非常勤専門医1名で2025年度4月から毎週木曜日に診療しております。対応疾患については、下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎の機能異常・骨代謝性疾患などです。
内分泌疾患でお困りのことなどありましたら、かかりつけ医へ相談のうえ、紹介での受診をお願いします。
当院は第二種感染症指定医療機関です。当科が入院加療した成人の新型コロナウイルス患者さんの数は、広島県東部において他を圧倒しています。また救急科と連携して重症例の治療にあたるなど、引き続きコロナ診療の最後の砦として責任を果たして参ります。
内科外来は原則予約制であり、当日の飛び込み受診患者への対応が困難となっています。当日にご紹介いただく際は、医師へ直接お電話にてご確認ください。また緊急性の低い症例につきましては地域医療連携課へ予約申し込みいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。