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当院は、2015年に広島県東部でいち早くロボット支援手術システムを導入した地域中核病院です。これまでに泌尿器科を中心として、病院全体で1,000例を超えるロボット支援手術を実施しており、同地域における治療成績・安全性において最も豊富な治療実績を有する医療機関です。
当科は地域の最終砦として泌尿器科領域の幅広い疾患に対応するとともに、地域がん診療連携拠点病院として尿路悪性腫瘍に対する高度なロボット支援手術を中心とした治療を提供しています。薬物療法や放射線療法についても、最新の国内外ガイドラインに準拠し、エビデンスに基づいた最適な治療を実践しています。
前立腺がん:最新機器であるTrinity® MRI融合生検装置を昨年末より導入、生検時診断精度の向上に努めます。手術、薬物療法(内分泌療法、抗がん化学療法)、放射線療法などあらゆる治療が選択可能です。2015年3月からロボット支援前立腺全摘術を開始し、術中合併症の減少、術後疼痛の改善、入院期間の短縮等の患者に優しい外科治療を目指します。根治的放射線治療については放射線治療科と連携、2022年4月よりスペースOAR®併用することで治療期間が短く、有害事象の少ないIMRTの寡分割照射60Gy/20fxを実施しています。
腎細胞がん:小さな腎腫瘍に対し2016年11月からロボット支援腎部分切除術を開始、腎温存手術を積極的に行っています。また2022年4月よりは腎摘除術がロボット支援手術の保険収載が認められ、当院でも適応症例に対してはロボット支援腎摘除術を開始しています。転移を有する腎細胞がんに対しては分子標的薬のみならず、免疫チェックポイント阻害剤併用療法が治療選択肢として加わり、治療成績の改善に寄与しています。
膀胱がん:筋層非浸潤がんは再発が多いことで知られています。当科はアラグリオ®による補助診断を用いた経尿道的手術を実施、完全切除を目指します。筋層浸潤がんに対して手術・放射線・化学療法の集学的治療を行っています。2019年からはロボット支援膀胱全摘術および完全体腔内尿路再建を導入、更なる低侵襲化を目指しています。
精巣がん・陰茎がん:国内外最新ガイドラインに準拠した治療を推奨しています。
尿路外傷:外傷後の尿路再建を積極的に行っています。
尿路感染症:結石性腎盂腎炎などの重症尿路感染症に対し、救命救急センターと連携して対応します。
尿路結石:結石疼痛発作に関する初期対応は可能ですが、結石破砕治療は近隣の連携病院に紹介させていただく場合があります。
女性泌尿器領域:2024年度から骨盤臓器脱について週2回専門外来を開設しました。同疾患に対する外科的治療の適否について専門知識を有する女性医師が診察します。同年にはロボット支援仙骨膣固定術を導入し、より整容性と治療成績に配慮した低侵襲治療を提供しています。尿失禁、過活動膀胱および間質性膀胱炎に関しては近隣病院と連携・対応します。
小児泌尿器領域:小児科・小児外科と連携しながら対応します。
その他:泌尿器科エマージェンシー(精巣捻転、陰茎折症など)積極的に受け入れています。2020年からロボット支援腎盂形成術を導入しました。良性疾患である腎盂尿管移行部狭窄症に対する術式で治療成績・整容性共に優れた術式です。
2024年の総手術件数は472(前年473)件でした。ロボット支援手術の総件数は145例(前立腺全摘出術:85例、腎部分切除術:30例、膀胱全摘出術:8例、腎摘出術:9例、腎尿管全摘出術:6例、仙骨膣固定術:5例、腎盂形成:2例)。泌尿器科Emergencyは会陰部デブリドマンが2件、精巣捻転解除術が2件でした。
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