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診断・治療項目詳細

記事ID:0000341 更新日:2021年1月4日更新 印刷ページ表示

上部消化管内視鏡検査

食道・胃・十二指腸の観察を行い潰瘍やポリープ・がんなどといった診断を行う検査で上腹部の症状や上部消化管出血の疑いのある方、胃がん検診の二次検診の方に行っています。経鼻内視鏡(細く鼻から挿入するため嘔吐反射が少なく苦痛が軽減する半面、画質が粗く可能な処置が限られる)もスクリーニングの方はご希望に応じて行っています。2008年よりNBI(特殊な波長光による)観察機能を導入し、より詳しく粘膜の血管などの変化をみることができるようになりました。
また、希望により鎮静剤(睡眠薬)の注射も使用して苦痛を軽減するように努めています。

当院で行っている上部消化管内視鏡治療

ポリープ切除術、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
消化管(主に食道、胃、大腸、直腸)の粘膜病変(ポリープや早期がん)の切除を行います。以前は2cmを超える大きな早期がんは内視鏡的切除の適応となりませんでしたがESDが開発されたことにより深達度、組織型、潰瘍の有無、瘢痕の程度、部位など条件はありますが大きな病変も一括切除可能となりました。
食道静脈瘤の治療;内視鏡で静脈瘤を見ながら硬化剤を注射する内視鏡的硬化療法(EIS)と内視鏡を使用してゴムバンドで静脈瘤をきつく縛って血管を壊死させてしまう内視鏡的静脈瘤結紮療法(EVL)とがあり状況に応じて使い分けたり併用して治療しています。食道静脈瘤は門脈圧亢進症に伴い発生し、食道静脈瘤を来す疾患の約90%は肝硬変症です。肝硬変を指摘された方は一度内視鏡検査を受けることをお勧めします。

内視鏡的消化管拡張術

内視鏡的に狭窄した消化管を拡張して拡げる治療です。術後狭窄や潰瘍廏痕による狭窄に対してはバルーンによる拡張術を行い食道などの悪性腫瘍による狭窄に対してはメタリックステント(金属製のメッシュの筒)による拡張術を行います。

経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)

口から食事のとれない方や誤嚥性肺炎などを繰り返す方などに、内視鏡を使って胃に小さな穴を造り、カテーテルを通して直接胃から栄養が摂れるようにする手術のことです。

胃ESDの手技の流れ

胃ESDの手技の流れ手順1の画像
​1. 病変の存在を内視鏡下に確認します(普通に見ただけでは病変の範囲が分かりにくい)。

胃ESDの手技の流れ手順2の画像
​2. 酢酸加インジゴカルミン水溶液撒布を行うことで病変の境界が明瞭になります。

胃ESDの手技の流れ手順3の画像
​3. 病変を確実に切り取るために病変の外側に切除範囲のマーキングをします。

胃ESDの手技の流れ手順4の画像
​4. 粘膜下に薬剤を注射して水膨れを作って病変を持ち上げます。
その後マーキングを取り残さないように外周を全周切開します。

胃ESDの手技の流れ手順5の画像
​5. 薬剤を注射して膨らんでいる粘膜下層を削ぎ切りしていきます。
この時に出血などあると止血を行って削いでいきますので時間がかかることがあります。

胃ESDの手技の流れ手順6の画像
​6. 切除完了直後の状態です。
大きな潰瘍になりましたので食事療法、胃薬で治療する必要があります。

胃ESDの手技の流れ手順7の画像
​7. 摘出した標本は70×40mmでした。

大腸内視鏡

大腸内視鏡検査は内視鏡(カメラ)を肛門から挿入し、大腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸・肛門)までの大腸全体を直接内視鏡で観察する検査です。大腸検査の目的は大腸内の変化を見つけ、粘膜を構成する細胞の性格が良いか(良性)、悪いか(悪性)を観察し、その場で一部を採取して顕微鏡の検査を行なったり、必要に応じて治療をすることです。
 当院では大腸内の病変の微細な紋様を観察、分類するし、病変の状態が把握できるよう拡大内視鏡や光デジタルによる画像強調観察技術(NBI)等内視鏡の先端技術を用いて適切に判断し、最良の治療につなげています。

  • 胃カメラとの同時検査当院では患者さまのご希望に応じて胃カメラ検査と大腸検査を同日中に行うことが可能です。大腸カメラに連続して胃カメラを行ないます。一日で両方の検査ができるので普段お忙しい方など、ご希望される方は一度ご相談ください。

大腸内視鏡検査によってできるさまざまな処置

当院では大腸内視鏡によって病気を診断するのみではなく、実際にそれらの病気に対し内視鏡を用いて治療を行なっています。

内視鏡的粘膜切除術(一般に言われる大腸ポリープ切除術)および内視鏡的粘膜下層剥離術

  1. 良性であっても将来癌化する可能性のある病変
  2. 表面に留まっている早期癌等を内視鏡を用いて切除します。
  • 内視鏡的粘膜切除術(大腸ポリープ切除術)の日帰り手術大腸ポリープを切除した場合には腹痛、出血、穿孔といった副作用・合併症が起こる可能性は誰にでもあります。
    当院では大腸ポリープの大きさ・形・数や年齢、治療中の病気の有無等を判断し、術後それらの合併症がそれ程高くないと判断した患者様は日帰り手術を行なっております。詳しくはご相談ください。

止血術

大腸からの出血に対し、内視鏡をもちいて血を止めます。薬剤の局所注入やクリップ、熱凝固等をもちいて血を止めます。

胆膵内視鏡

胆膵内視鏡(石とり)

胆膵(胆嚢・胆管・膵臓)の良性(結石など)・悪性(がんなど)疾患を対象にしています。内視鏡を使って胆管や膵管の様子を調べたり(造影や細胞診)、胆管や膵管の結石を摘出したり、がんによる胆管閉塞による黄疸(閉塞性黄疸)の胆管ステント(ストローの様なチューブ)の挿入を行っています。当院における胆膵内視鏡検査・治療は、全例、鎮静剤による麻酔下で行っており、術中の苦痛はほとんど消失しています。さらに、従来の空気でなく、炭酸ガス送気装置を導入したことにより、術後の不快なお腹の張りも軽減されています。

胆膵超音波内視鏡(EUSとEUS-FNA)

超音波内視鏡(EUS)は通常の胃カメラの先端に超音波が付いた装置です。胃や十二指腸の中から、胆膵領域を詳細に観察することが可能です。胆嚢の腫瘍性病変(ポリープやがん)や膵の小腫瘍および嚢胞性疾患(ふくろの形をした病変)の詳しい診断には欠くことのできない検査であります。まずは、かかりつけ医や検診で通常のお腹の上からの超音波検査を受けて頂き、何か異常があれば、精密検査として、CT、MRIやこの超音波内視鏡検査を受けることをお勧めします。
また、膵臓に腫瘍を認める場合には、従来は組織学的確定診断(本当にがんか?もしがんであればどのような種類のがんか?)が困難な場合がありました。しかし、上記、超音波内視鏡下の穿刺術(EUS-FNA)という、超音波内視鏡を使用して、針を刺して組織や細胞を採取することにより、容易に腫瘍の確定診断が得られるようになりました。このことは、手術適応の決定や、適切な化学療法の選択に大きく貢献しています.

胆管結石による急性膵炎EUS(超音波内視鏡)とは?EUS-FNA(超音波内視鏡穿刺針生検)とは?の画像

上記、超音波内視鏡関連の処置においては、当院が福山地区のリーダー的役割を担っています。

術後再建腸管に対するERCP(DB-ERCP)

胃の全摘手術、胃空腸バイパス術、膵島十二指腸切除などの手術を受けられた患者さまに、胆道の病気が発生した場合、従来は上記のような内視鏡治療を施行することが不可能でした。
ところが2006年にダブルバルン内視鏡(ショートタイプ)が発売されてから、術後再建腸管であっても多くの例で内視鏡治療を行うことが可能になりました。
2011年6月に胆道処置用のダブルバルン内視鏡(左写真)が発売されたのと同時に、当院ではいち早くこれを購入し、常時対応可能な体制を整えました。
既に、総胆管結石除去、胆管や膵管の術後吻合部狭搾に対する拡張術、ステント留置による胆道ドレナージなどを、DB-ERCP法で施行し、実に86%の完遂率を誇っています。これは全国的レベルでも良い成績です。従来内視鏡治療が絶望的だったことを考えると、(外科手術と比べて)体への負担が少なく、非常に有用な方法と言えます。

​胆道処置用ダブルバルン内視鏡の画像
​胆道処置用ダブルバルン内視鏡 EI-530B

緊急内視鏡

当院では多くの患者さまが緊急の内視鏡が必要となり受診されます。

1. 消化管出血

 吐血や血便があった場合に、出血部位・出血原因を検索し、出血状況に応じて止血治療が必要と判断した場合にはカメラを用いていろいろな方法で止血を行ないます。

2. 総胆管結石症による胆管炎

胆膵内視鏡へ

3. 消化管異物

 ボタン電池や針、義歯等先の鋭利な物を間違って呑みこんでしまった場合や魚骨が突き刺さってしまった場合など消化管穿孔など重篤な状態となってしまう可能性があるため必要に応じで内視鏡で除去します。

小腸内視鏡検査

21世紀に入るまで、小腸の内部を詳細に検査することは夢の世界の話でした。ところがここ数年の間に機器の開発が急速に進み、実用化され、多くの小腸疾患が白日の下に晒されることとなりました。かつて医者の多くも小腸は殆ど病気が発生しない臓器だと思い込んでいたものですが、もはや患者さんにそんな説明はできない時代です。結局、「かつては殆ど見ることができなかった」だけのことだったわけです。

 小腸の病気を明らかにした主役は、「カプセル内視鏡」と「ダブルバルン内視鏡」の二種類の医療機器です。前者が日本の医療現場で正式に使用されるようになったのが2007年、後者が2003年のことですから、胃カメラや大腸カメラが世に普及し始めた時期に比して、いかに最新の機器であるかがお分かり頂けることでしょう。こうした時代背景と地域の熱い要請に応え、当院は2008年末にこれら二種の機器を一度に導入しました。両者は対象臓器を同じくして互いに補い合う検査法であり、両方揃っていることが実は大変重要なことなのです。

福山市民病院には「カプセル内視鏡」と「ダブルバルン内視鏡」の両方があります!

カプセル内視鏡

カプセル内視鏡は26mm×13mmの大きさのカプセル(右写真参照)を、水でごくんと飲むだけという楽な内視鏡検査法です。でも、「それなら今年の検診はこれで・・・」と思うことなかれ。胃や大腸は検査できません。対象臓器は小腸のみです。更に下血の原因を調べるという目的以外に使用することを厚生労働省は認めていません。従ってこの検査を受検される患者さまは限られるわけですが、にも拘らず予想以上に受検対象となる患者さまが多いことには我々も驚かされるばかりです。

カプセル内視鏡の画像
​カプセル内視鏡

ダブルバルン内視鏡

ダブルバルン内視鏡は一見普通の内視鏡と同じ形をしていますが、その名のとおり先端についた2このバルンで腸管を手繰り寄せながら奥へ奥へと進んでいきます。こちらは、カプセルのような楽さや簡便さはないものの、処置が行えるという最大の武器があります。図1はカプセル内視鏡で発見した小腸潰瘍に、後日ダブルバルン内視鏡で到達し、止血処置を施しているところです。

ダブルバルン内視鏡の画像
​ダブルバルン内視鏡

小腸検査は基本的には下血がある患者さまに行う検査です

他臓器疾患の診療を受けられている患者さまへ
循環器でカテーテル治療を受けた方、または脳梗塞の治療後の方の多くが、アスピリン(当院ではバイアスピリンやバファリンなど)という血をサラサラにするお薬を飲まれています。また整形外科にかかりつけの患者さまの中には鎮痛剤を常用している方も少なくありません。アスピリンや鎮痛剤は、胃腸に潰瘍を作り消化管出血の原因になることが以前から知られていました。小腸検査の発達により、同様のことは小腸においても例外でないことが最近になって明らかになりました。すなわち、小腸検査の対象となる患者さまは、消化器内科にかかりつけの方ばかりでなく、他の科にかかりつけている場合が意外と多いのです。

消化器内科‘以外’のお医者さんに、小腸出血を疑ってもらうこともまた重要なり

ダブルバルン内視鏡を用いた胆道処置についてはこちら

小腸出血の関連疾患の表の画像


内視鏡診断・治療センター
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