本文
「医師一覧へ」
循環器診療の原点は“救急”です。そのために日々努力しております。しかし、心臓血管センターにおける循環器内科、心臓血管外科の医師数の減少に働き方改革の影響での備後医療圏全体の循環器疾患受け入れ能力の低下も加わり、当院でも救急受け入れ不能な状態が出てきています。周囲の病院とも協力しながら、できるだけ地域の患者さんをこの圏域で受け入れれるよう模索していきたいと考えています。
日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本不整脈心電学会の教育施設であり、冠動脈疾患、末梢動静脈疾患、徐脈性不整脈、頻脈性不整脈、心不全、高血圧を中心に成人の循環器疾患全般に対して良質で安全な治療を提供すべく、日々努力しております。
カテーテル手技を用いた侵襲的治療、薬物治療、心臓リハビリテーションの3つの柱を中心に治療を行っています。
冠動脈疾患や末梢動静脈疾患は、カテーテルにて治療を行います。治療に難渋する症例(高度石灰化や慢性完全閉塞病変)が増加傾向にありますが、特に難渋する石灰化に特化して治療できる機器も用意しており、より高度で安全な治療を心掛けております。
上室性頻拍、心房細動・粗動、心室性不整脈などの頻脈性不整脈には、カテーテルアブレーションにて、徐脈性不整脈や高度に心機能低下した心不全症例には、ペースメーカーの埋め込みを行っています。心房細動におけるアブレーションにおいては、心臓の負担軽減および将来的な心不全回避も目標の一つになるため、長期予後を考慮した治療戦略を念頭に治療に当たっております。
カテーテル手技は、あくまで治療の選択肢の一つであり、薬物治療、心臓リハビリも積極的に行い、ADLを維持しながら早期の退院を目指しています。
2014年7月に広島県の福山・府中圏域における「地域心臓いきいきセンター」に指定されて以降、心不全の状態改善を目指し、医師・看護師・理学療法士・薬剤師・管理栄養士を含めた多職種が一丸となって包括的な心臓リハビリを入院急性期から退院後まで積極的に行っております。
また併存疾患を持った症例が増加していますが、総合病院の強みである専門の診療科と協力しながら治療方法を工夫し、早期
退院を心掛けています。
〇冠動脈疾患(慢性冠症候群、急性冠症候群)
〇末梢動静脈疾患(下肢動脈狭窄、腎動脈狭窄、鎖骨下動脈狭窄など)
〇重症下肢虚血(足趾にいきなり潰瘍ができたり壊死をおこします)
〇頻脈性不整脈(心房細動、粗動、房室結節回帰性頻脈、WPW症候群、心室頻拍など)
〇徐脈性不整脈(洞機能不全症候群、徐脈頻脈症候群、房室ブロックなど)
〇心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症、閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、閉鎖不全症など)
〇心不全(虚血性心疾患、不整脈、心筋症、高血圧、弁膜症を原因とするものなど)
〇高血圧
〇肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症
2023年度
心臓カテーテル検査 805例
冠動脈形成術 428例
末梢動脈形成術 136例
アブレーション 180例
ペースメーカー植え込み術 133例
植込型除細動器、心臓再同期療法 12例